レムナント
「私はまだ仕事がある。隣の部屋でルーンと大人しくしていろ。」
バタンと扉が閉じるとアリスは大きく溜息をついた。
シドの私室の隣の部屋でアリスはルーンと二人きりになった。
「アリス、夜は一緒に寝よう?」
「いえ…夜は自分の部屋に帰りますよ。」
「でも雷は?アリスまた怖くなっちゃうよ。」
5歳のルーンに心配されアリスはなんだか情けなくなった。
本当にここで一晩明かす訳にはいかない。。
でもルーン様の言う通り、一人で夜を越せるか不安になってきた。
…そうだ、執務室に行こう。
アランはきっと仕事しているはず。
一晩中仕事をしていれば怖くない。
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1時間程、ルーンと部屋で遊んでいるといつの間にかルーンは寝てしまった。
仕事を終えたシドが部屋に入ってきた。
「殿下、お疲れ様です。私は執務室に戻ります。まだ仕事がありますので…」
「…執務室は誰もいない。さっきアランも自室に戻った。」
え…
シドはソファで寝ているルーンを抱き上げるとベットにそっと寝かせた。
「…自分の部屋に戻るなら好きにしろ」
シドの言葉にアリスは立ち上がり自分の部屋へ戻る事にした。
ゴロゴロ!
またタイミング良く雷が近くで鳴った。
「ひゃっ?!」