レムナント
「おはようアラン。」
アリスが部屋に入ってくるとアランはアリスをじっと見つめた。
「どうしたの?各州から被害の報告は届いた?」
「…ああ。今のところどの州も大きな被害はなかったようだ。」
「よかったわ。」
いつもと変わらないアリスにアランは今朝のことを思い返していた。
「…アリス、昨日殿下の部屋に泊まったのか?」
アランの言葉にアリスはギクリとした。
「え…アラン、殿下の部屋に来たの…?」
「お前達…いつの間に夜を共に過ごす関係になっていたんだ…!」
アランはガタンと椅子から立ち上がりアリスに迫った。
「ち、違います!!そんなんじゃありません!!!」
アリスは慌てて否定した。
しかしアランの疑いの眼差しは変わらなかった。
アリスは溜息をついて昨日の経緯を話し始めた。