レムナント
コンコン
暫く部屋で待っていると扉がノックされた。
キース様がいらしたんだわ。
アリスは立ち上がり、ドアを開けた。
「?!」
ドアを開けると、そこには1人の男の子が立っていた。
5歳くらいだろうか…
紺色のベストに同じ色のズボンを履いて、髪は銀髪の可愛らしい男の子は、アリスを見ると随分驚いた顔をした。
「…あ、あなたは誰?」
アリスが話しかけると、男の子は部屋の中を覗いた。
「…どうしてこの部屋にいるの?」
男の子はアリスに聞いた。
「え?えっと、今日からここが私のお部屋なの…」
「…ルーン様!」
すると、男の子の背後から、キースがやって来た。
この子、ルーンていうのね。。
キースは膝をついてルーンの肩に手を置いた。
「ルーン様。今はお勉強の時間ではありませんか。お部屋に戻りましょう。」
「…また新しい人が来たんだね。」
ルーンはキースを見上げながら言った。
キースは何も答えずに、近くにいた召使いを呼んでルーンを部屋まで送るよう指示した。