レムナント

夕方になりアリスは部屋で舞踏会の支度をした。

「ソフィア、もうこの間みたいな苦しいドレスは辞めてね。」

「分かっていますよ。2着ありますがどちらにしますか?」


ソフィアが差し出した2着のドレスを見比べて、濃いグリーンで美しい刺繍が施された細身のドレスを選んだ。

「こっちにするわ。」

「分かりました。髪はハーフアップにしましょう。」

支度を済ませて執務室に向かった。

アランとキースも黒のタキシードに身を包んで準備が終わっていた。

「おー似合うじゃないか、アリス。」

「ありがとう。ねぇアラン、今夜は殿下のそばに張り付いていなくてもいいって言われたんだけど?」

「あー、今夜は殿下は国王陛下と一緒にひたすら来客から祝いの言葉を受けるからな。でも側にいろよ?この前の仮面舞踏会の時みたいに変な男に酒飲まされたら困る」

アランの言葉にアリスは顔を赤くした。

「もうっ、今度は大丈夫よ。」

殿下もアランも同じこと言うんだから。

「そろそろ行こう」

キースの言葉で3人は舞踏会のホールへと向かった。

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