レムナント
「カインと踊るのなんて何年振りかしら。」
「そうだな、昔よくアリスの家で先生に厳しく教わったな」
「そうそう。あの時の先生、本当に怖かったわよね。私いつもレッスンの日になるとお腹が痛くなっていたもの。」
アリスは懐かしい話で盛り上がり、ダンスを楽しんだ。
カイン、相変わらずだけど少し背が伸びて大人っぽくなったみたい。
「留学はどうだった?」
「ああ、毎日勉強の日々だったよ。」
カインとは昔からダンスも勉強もなんでも一緒に教わって来た。
ダンスの差はなかったけど、勉強だけはカインには到底及ばなかった。
学校でもいつも一番の成績を取っていて、3年前から他国に留学に出ていた。
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その頃、別室で休憩をしていたシドは、ホールに戻りアランの姿を探した。
すると、ホール中央でダンスをするアリスを見つけた。
踊っている男にシドは見覚えはなく、何故か2人から目が離せなかった。
暫く眺めていると、アランが後ろから声をかけた。
「殿下、休憩はされましたか?」
「…ああ、そろそろ戻る。」