今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
 平謝りするジェームズにパパは、気にするなというようにその肩をポンと叩いた。
「それより、スケジュール変更によってそれを使う予定だったこの後の会議が中止になっている。せっかく来たんだ、少し騎士団を見学してから帰るといい。案内しよう。……バイアス、すまんが後の訓練を頼んだ」
「了解ッス」
「わぁっ、嬉しい! パパ、またたまに忘れ物をしてね? 私たちが届けてあげる!」
 私がキュッとパパの肩に抱きついてこんなふうに言ったら、パパは一瞬虚を突かれたように目を丸くし、次いでフッと表情を緩ませた。
「それはいいな、スケジュールに空きがある時に検討しよう」
 ……今、ほんの一瞬だったけど、パパが「フッ」って笑ったような気がする。
 偶然かもしれないけど、私はますます嬉しくなった。
「パパ! 今日はとってもいい日よ!」
「ん? そうか、それはよかった」
 パパが私を抱っこしたまま訓練場を後にする。ジェームズとクレアもそれに続く。
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