今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
「まったく。この程度の見解ならば、素人にも出せるぞ」
 パパは不満げに報告書を封書ごとジェームズに手渡した。
「まぁいい。たしかにあれから十日が経つが、類似の事件も起こらん。やはり、隕石がたまたま我が家に落ちてきたと、そういうことなんだろう。……あぁ、そうだリリー」
 パパは今回の一件をこんなふうに締めくくると、思い出したように私に目線を向ける。
「なあにパパ?」
「急だが、明日は代休になった」
「え!? 明日、お休みなの?」
 パパのお休みと聞かされて、俄然テンションが上がる。
「ああ。よかったら、移動動物園に行かないか? バイアスから聞いたんだが、明日まで王都の中央公園で開催しているそうだ。リスやウサギ、インコなどの小動物を実際に触れるらしい」
「行く! 行きたいっ!」
 さらにパパからとびきり嬉しいお誘いを受け、ピョーンと宙に飛び上がりそうになる。いや、私は湧き上がる喜びが抑えきれず、実際にピョンピョコと跳びはねた。
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