今日から騎士団長の愛娘!?～虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです～

第八章 動物園で大活躍

　ホットドッグを食い終えると、俺たちは移動動物園が開設されるイベントエリアに向かう。
「どうやらちょうど始まるところのようだ」
　俺たちが到着した時、動物たちがちょうどケージから各ブースに出され、ゲートからは客が園内に入場し始めていた。
　柵越しにそんな園内の様子を見て、リリーが声を弾ませる。
「わぁー！　もこもこの動物がいっぱいいる！　パパ、私たちも早く早くっ」
「こら、リリー。あんまりはしゃいでいると転ぶぞ」
　ゲートに向かってテテテッと駆け出すリリーの背中を慌てて追う。
「だーいじょっ、ぁあっ！」
　案の定、リリーは数歩進んだところで石畳に足を取られた。前のめりに傾いだ彼女が地面に頭を打ち付ける直前で、俺が腕を伸ばして掬い上げるように抱き上げる。
「ほら、だから言わんこっちゃない。ひとりで走っていったら危ないだろう？」
　片腕抱きで目線の高さを合わせ、コツンと額と額をくっ付けて釘を刺す。
「ご、ごめんなさい」