今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
「……なぁ、ベルと言ったか。お前、今更だがずいぶんと妙ちくりんなしゃがれた鳴き声をしてるよな? 本当にネコか?」
『ゥ゛オロミャーーゴ(青二才。あまりわしに無礼な口を叩くと、その口塞いでやるぞ)』
 その後ろを、まるで意思疎通ができているかのように絶妙な掛け合いを繰り広げる奴とベルが続いた。

 ウサギのふれあい広場に到着したリリーは、もこもことしたウサギたちを前に目をキラキラとさせていた。
 ……ほぅ。思ったよりも数がいるな。
「こんにちは、お嬢ちゃん。どの子を撫でてみたい?」
 興奮した様子で佇むリリーの元に、さっそく感じのよさそうな女性スタッフが歩み寄り、尋ねた。
「えぇっと……あ! あの子、かわいいっ! 私、あの子にする!」
 リリーはキョロキョロと周囲を見回し、気に入りの一羽を見つけたようで、広場の奥を指差した。
 どれ? リリーが選んだのはどんなウサギ……なっ!?
< 148 / 219 >

この作品をシェア

pagetop