今日から騎士団長の愛娘!?～虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです～

　なんと、リリーが目を付けたのは、多くいるウサギの中で一番でかく、やたらともふもふした真っ白な毛をした一羽だった。
　スタッフと一緒に広場の奥に向かい、リリーはニコニコで件のウサギの前にしゃがみ込む。俺はふたりの脇に立ち、ウサギを前にして嬉しそうなリリーの姿を目を細くして眺めた。
「ふふふっ。この子、ベルをそのままウサギさんにしたみたい！　パパもそう思わない!?」
　ドッシリとして、どことなくふてぶてしい風体は、リリーの言葉通り奴をそのままウサギにしたかのようだった。
「あぁ、そっくりだな」
「でしょう！」
　ちなみにこの時、当のベルはといえばふれあい広場の入口で子供らに囲まれていた。
「おっ！　このでっかいのウサギよりカッコイイじゃん！」
『ゥ゛オロミャーーゴ(これ！　やめんか、小童ども！　早うそこをどかんか！)』
「うわっ!?　なんだコイツ！　鳴き声まで超イカしてんじゃん！」