今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
 見れば、ダグラス王太子が別のスタッフにレクチャーを受けながら、茶色に黒の縞模様が入ったリスを手に乗せていた。しかし、彼の手の上のリスはキョロキョロと視線をさまよわせ、落ち着かない様子だった。
「ふむ、リスはお世辞にも心地よさそうではないな」
「だが、あっちの方が、動物の反応としてはよほど自然だ。もしかして嬢ちゃんは、なにか特別な力でも持っているんじゃないのか?」
 ロベールの見解と俺のそれは、少し違っていた。
 ……いや、ロベールの言うようにリリーはなにかしら常人とは違う力を持っているのかもしれん。だが、ここで不自然なのはリリーではなく動物たちの方。
 個体の種類に違いはあれど、総じて大きくボリュームのある白い毛を持ち、ベルによく似た風体の彼ら――。
 ……そもそも彼らは、本当に普通の動物なのか? こんな疑問が脳裏を過ぎった。
「ふふっ、こーら。甘えんぼさんね」
 白リスが伸び上がってリリーの頬に頭をすり寄せ、彼女は擽ったそうに笑みを零してそっと頬ずりをする。
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