今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
 パパはベルや魔粒子たちの言葉は理解できないが、今回の一件が人の世の理を超えた魔力によって引き起こされたことを承知していた。その上で、さきほど私が魔粒子のみんなやベルとしていたやり取りについて確認した。
「――そうだったか、やはりリリーはベルと意思の疎通ができていたか。リリーが魔力で混乱を収め、皆の治療までしてくれたんだな」
「ううん。実際に黒い魔力を追い払ったのも、治療をしたのも私じゃなくて魔粒子のみんなよ。私はただ、お願いしただけで。それよりパパ、ごめんなさい! 私、また勝手に魔力を、……それも混合魔力を使っちゃって」
 あの時は怪我人も多くいて、考える間もなく体が勝手に動いていたけれど、黒ちゃんに前足を振り上げられた瞬間、私の脳裏には心配そうなパパの顔が浮んでいた。
 パパは私に『必要な時は魔力を有効に使い、活かせばいい』と言ってくれて、私自身さっきの行動が不必要だったとは微塵も思わない。だけど、パパは『君に危険は冒してしてほしくない』と、こうも言っていたのだ。
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