今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
 本当はそれらを人に事前に知らせたり、介入したりしてはいけないらしい。だけど、いかんせんベルたちはおしゃべり。
 彼らが輪になってああだこうだ話しているのを横で聞き、私がそっとパパに耳打ちをしたというわけだ。これまでにも、この流れで自然災害やそれにまつわる事故なんかを未然に防げたケースが幾つかあった。
「はははっ、嬢ちゃんは謙虚だな。その『声を伝える』が常人にはできんのだがな。ま、またなにか聞き齧ったら教えてくれ」
 ちなみにそのベルたちはといえば、今日は珍しく『一度、聖獣の国の様子を見てくる』と言って、みんなで朝から屋敷を空けていた。せっかくのガーデンパーティなのに、ちょっと残念。
「あ、そうだリリー!」
 するとここで、ダグラスが名案を思いついたとばかりに声をあげた。
「どうしたの、ダグラス?」
「このブドウだけどさ、もしリリーが気に入ったなら、王家の専売品に指定して、来年以降の流通に制限をかけたらいいよね!」
「え?」
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