今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
 そんなパパの頑張りによって、ユーベルグルク王国は大陸一の強国としての地位を保ち、国民は戦のない平和な暮らしができているのだ。もし、私が生まれるのが十五年早かったら、国は隣国との戦争の真っただ中。私はパパに殺されるうんぬんの前に、戦争で死んでいたかもしれない。
 今の平和は、前任の騎士団長に代わって就任したパパのお陰と言って過言でないのだ。
 そんなわけで、ユーベルグルク王国に平和の礎を築いたパパに、せめて「お疲れ様」の思いを込めて、お見送りとお出迎えくらいはしないと私の気が済まない。
「リリー……!」
 わわわっ!
 突然パパが、ムギュッと抱き締めてくる。苦しさに「グェッ」とカエルみたいな声が漏れるが、パパの腕は一向に緩まない。
 ……なになに? もしかして私、絞め殺されたりしちゃう!?
 いよいよ頭に酸素が回らなくなってきて、ぼんやりとした意識の中で「あぁ、私、絞め殺されちゃう運命だったのね」と理解する。
「ん? す、すまん!」
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