今日から騎士団長の愛娘!?～虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです～

　なんとしてもパパに良い子と認められて、死亡エンドを回避するんだ！
「これが、リリーが作ってくれたミートボールか」
　パパは卓上に置かれた蓋付きのココットを見つめ、おもむろに蓋の突起を摘まむ。
「うんっ、そうよ！」
　へへへっ。このミートボールは渾身作だから、きっとパパも気に入ってくれるはず！
「どれ」
　パパがゆっくりと蓋を持ち上げていくのを、スローモーションのように見つめた。
　――パカッ。
　パパが蓋を開けきった瞬間、私の目からドバッと涙が溢れ出て、滝みたいに頬を伝った。
　……なんで？　どうして!?　あんなに一生懸命こねこねして肉団子にしたのに、なんで!?　肉団子の原形、どこいった!?
　この国のミートボールは、肉団子をスープで煮込んだ料理(ザックリ)だ。だが、ココット皿にはボロボロとした挽き肉の混ぜ物がのっかっていた。
　なにかの見間違いを疑い、私は慌てて自分の前に置かれたココットの蓋を開ける。
　――パカッ。