今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
 あーっ!! 私のココットには、形のいい肉団子がひとつと、そしてパパのと同じ挽き肉のボロボロがダブルでよそわれていた。
 一個だけ綺麗な形を保っているこの肉団子は、間違いない! これは、騎士団食堂出身の気のいいシェフのおじちゃんが見本として最初に作ってくれた肉団子だ――!
 ならば、このボロボロが私作の元お団子……。
 しっかり捏ねてお団子にしたつもりだったけど、幼女の手ではどうしても形成が緩くなってしまったらしい。煮込む途中で形が崩れ、ボロボロになってしまったようだった。
「……パパッ! やっぱりダメ! それは私が食べるから、シェフが作ってくれたこっちと交換してっ!」
「なぜだ? 俺はリリーが作ってくれたこっちを食べたい」
「だって、それボロボロで……あっ!」
 言うが早いか、パパは匙でボロボロになった挽き肉をひと掬いして頬ばった。
 パパの行動にビックリして、涙がピタッと止まる。そのまま、パチパチと目を瞬いて、もぐもぐと噛みしめるパパを見つめた。
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