今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
「ねぇベル、なんかつらそうね。なにか私にしてあげられることってある?」
『……そのまま』
「え?」
『そのまま撫でてくれ』
 乞われるまま、伸ばした手を首の後ろに当てる。
「こ、こう?」
 おっかなびっくりで撫でてみたら、想像を遥かに超える感触に目が真ん丸になった。
 う、うっ、うわぁあ――っ! なにこれ! なにこれ!?
 ベルの毛は極上の羽毛よりもっと柔らかで、これまでに触ってきたどんな動物たちよりもふわふわだった。びっしりと生え揃った毛はモフモフで、触れればふわっと包み込むような感触で沈み込む。
 この世のものとは思えな……って、そっか! 私とお喋りできるんだから、ベルは普通の動物じゃないし、そもそもこの世の生き物でもない。
 魔力持ちの私は、これまで人外の魔粒子たちとお喋りをしてきた。だけど魔粒子たちに実体はなく、こんなふうに実体を持った生き物と話しをするのはこれが初めてだ。
「……もしかして、魔粒子って実体を持てたりするのかな?」
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