今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
「そりゃ、気にもするよ。このままルートが進行してパパとヴィオラの婚約が成立すれば、私はこの世にいないんだもの!」
『なに? 途中意味がよく分からんかったが、そなたがこの世からいなくなるのは困るぞ! そなたの魔力が無ければ、わしも行き倒れになってしまうではないか!』
 ……思い出せ。具体的にどんなイベントがあったっけ?
 騒々しいベルを無視し、必死になって百合の記憶を掘り起こす。
 そう言えば、リリーが起こしたボヤをヴィオラが消火して、パパの好感度をアップさせるイベントがあったはず! たしかそれって、パパとヴィオラが初顔合わせした晩餐会の日の夜。なぜか一緒に帰ってきたふたりが庭のボヤ騒ぎに気づくんだ――。
「って、パパとヴィオラの初顔合わせの晩餐会? ……それって、十中八九今夜だ!」
 ……でも、待てよ?
 私は間違ったって、屋敷の庭に火を付けたりなんてしない。これはいったい、どういうこと?
< 72 / 219 >

この作品をシェア

pagetop