今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
 右に左に首を捻りながら、ともあれ、もしボヤが起こるなら放っておけないし、かと言って、ルート通りパパたちに一致団結して火を消させ、婚約ルートを突っ走らせるわけにもいかない。
『これこれ、まったく話に付いていけん。わしにも分かるように説明せんか』
「ねぇベル! 説明したら、協力してくれる?」
 これでもベルは聖獣の王様だという。正直なところ、聖獣の王様というのがどれほどのものなのかは分からないけど、おそらく私ひとりで動くよりはマシなはずだよね。
『ん? そりゃあ、まぁ構わんが』
「約束よ! ええっとね、かくかくしかじかで――」
 私はベルから言質を取るや、転生からそれに伴う前世の記憶、今後予想されるルートなど、事細かに説明していく。
『な、なんじゃそれは!? 前世の記憶? このままいくと殺される? なにやら目が回りそうな話じゃが……』
 ベルはショパショパと幾度か目を瞬かせてから、胡乱げに私を見上げた。
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