今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
『まぁ、話は分かった。それにしたって、死亡エンドを回避するために協力せよとは、いくらなんでもわしの負担が大きく割に合わんのではないか?』
「でもさ、ベルは私から魔力をもらわないとダメなんでしょう?」
 私が毎朝起きがけにしてやっているように、ワシャワシャと首後ろを撫でてやれば、ベルは気持ち良さそうに目を細くした。
『……それはまぁ、そうじゃな』
 ベルはしばらく私のナデナデを堪能した後、仕方ないといった感じで頷いた。
「ふふふっ。こういうのを一蓮托生、あるいは、死なばもろともって言うのよ! 死亡エンド回避のため一緒に協力しよね、ベル!? エイエイオー!!」
『……なんじゃそれは? それで、わしは具体的になにをすればいいんじゃ?』
「ええっとね――」
 ベルはヤレヤレと呆れ眼を向けつつも、ちゃんと約束通り私の計画に耳を傾けてくれる。私たちは、こそこそと今晩の段取りを詰めていった。


 沈む西日が目に眩しい日暮れ時。
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