アクセサリーは婚約指輪だけ
再びしばらく車を進めていたら

「伊吹くん、あのね、あの」

「なに?」

「寄り道するところって
どんな感じのところ?」

「橋なんだけれど」

といった途端、右側から1両編成の電車とすれ違った。

「のんびり、旅行気分だな」

「本当にね。可愛い電車、
楽しいね?」

駅を過ぎて直ぐもう一度左へ入っていく。橋の手前で車を停めて

「到着。この橋を渡ってみたくて」

「運転ありがとう。
後ろから帽子取るね」

「惠美里、帽子とそれ?」

「ちょっとパン食べてみない?
アイスコーヒー持ってきたの。
ぴったりでしょ?
橋の真ん中で食べよ?」

手を繋いで橋を渡る。向こうから軽トラックがきた。すごいなぁ。渡るんだな。
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