アクセサリーは婚約指輪だけ
「コーヒーも冷たくて美味いよ。
惠美里ありがとう」

周りに誰もいない、恋路橋の上、2人っきり。

「惠美里」

俺、声掠れてるし。抱きしめて顔を見えないようにして苦笑い。惠美里も背中に手をまわしてくれた。軽くキスをと頬に手を置いた。

「え?伊吹くん、ここ外、橋の上」

と最後まで言えないタイミングで唇を合わせた。やっぱ軽くなんて無理。
1度重ねた唇は甘くて切なくて美味しい。唇は食べ尽くし、口の中の進んでいく。あぁ、本当に甘酸っぱいんだな、クリームだ。コーヒー入りの水筒を俺に手渡してくれて、俺が飲んで、返す前にキスしたんだ。惠美里にはコーヒーの味がするのかな?

「もう、誰か来たらどうすの?」

「ちゃんと周り見てたから大丈夫。
コーヒー飲んでましたって言えば?」

「あ、、、確かに苦かった」
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