アクセサリーは婚約指輪だけ
「俺は甘酸っぱかった。
俺のキス苦いなんて、酷いなぁ」

「もうっ恥ずかしいことばっかり
言うんだから。
え?伊吹くん、後ろ」

「大きい車来たね。戻ろう」

急ぎ足で車の方向へ戻り、橋の端っこで止まったら、運転手さんに会釈された。うん?ちょっと含みがある?見られてたかもな。惠美里知ったら怒りそう。

「あっち側に神社があるんだ。
歩いて行っても良いかもと
思っていたけれど、
今の車、これよりかなりデカイ
ってことはこれでも渡れるな。
惠美里どうする?行ってみる?」

「落ちたら死んじゃう?
怪我するかな?」

「いや、ゆっくりそろりと
行くから大丈夫だよ」

「うん、じゃあ、行こう?」

「ぷはっ、何で疑問形?」

「だって」

「じゃあ、渡りきれるように
願掛けでもう1回」

と車の影で、しばらくキスをしていた。
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