大失恋したら年下王子様の溺愛が待っていました。
4.
「…ん、」
フッ…とゆっくりと意識が覚醒し、視界がぼんやりと開けた。
その視界も程なくしてクリアになり、知らない部屋の知らないベッドに寝かされている事に気付く。
…どこだ、ここっ!?
見たところ男の人の部屋っぽいけどっ!!
焦りのあまり、暑くもないのに体中から汗が吹き出す。
バッと条件反射的に布団をめくって自分が衣服を身につけているか確認する。
ちゃんと着ている。ヨシッ!
いや、まだあんまりヨシじゃない。ここ誰の家!?
ガバっと勢い良く上半身を起こすも軽い目眩が起きてすぐにまたボフッとブルーのベッドに沈んだ。
すると、この部屋の主人の匂いがふわりと香った。
…あれ。この匂い、わたし知ってる。
でもなんで彼のベッドに寝かされているのだろうか。
訳がわからず静かにパニックになっていると、誰かがこちらへ走ってくる音がした。