大失恋したら年下王子様の溺愛が待っていました。

「へぇ、結構キレイにしてるんですね。意外」

「意外ってなによ、意外って」

「ははっ、すいません。お酒の缶とかそこら中に転がっているのかと」

「…わたしにどういうイメージ抱いているわけ?まぁその辺テキトーに座ってて」

ここはひとり暮らし、またはふたりで暮らすのに適した2LDKのコンパクトな造りが特徴の賃貸マンションで、家賃はそこそこするけれどその分セキュリティとかがしっかりとしている為、住民は女性が多い。

そんな中で王子みたいなイケメンが住んでいたらすぐに噂が立ちそうなものだけどなぁ。

ん?そう言えば…。

「王子。こんな時間に未成年を家にあげるって違法なんじゃなかったっけ…?」

わたし、法をおかしたくはないんですけどっ!

「俺、もう18ですし、保護者の同意を得ているんで問題ないです」

ホントかよっ!?

「なんか疑ってます?」

なぜバレた!?

「凛々サンって思っていることが全部顔に出るタイプですよね」

「っ、いいから座っとれ!」

ハイハイと王子がテレビ前の2人掛けソファーに腰掛けたのを確認して、タンブラーに氷をたっぷり入れてそこに持って行く。

…このソファーとタンブラーには彼との思い出が詰まっているから見るだけで泣きそうになる。

「凛々サン?」

王子が不思議そうな顔でこちらに振り向き、わたしは慌てて作り笑いを顔に貼り付ける。

「ん?何でもないよ!さ、これ飲んだら帰ってよねっ」

ニコニコと必死に笑いながらタンブラーをテーブルに置いた。



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