さよならとつぶやいて、きみは夏空に消えた
午後二時半の炭酸水
きみと初めて出逢ったのは、遠い夏の日――。
あんなに大好きだったのに、なぜか顔も思い出せないきみ。
覚えているのは、祖母の営む骨董店の名と同じ響きだった、その儚げな名前だけ。
きみの名は、ほたる。
僕は、まぼろしの幼馴染みにもう一度逢うために、この静かな田舎の街に帰ってきたのかもしれない。
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