私の願いが叶う恋
キーンコーンカーンコーン
12時を知らせるチャイムが鳴り響く。
心の準備もさながら、あっという間に12時はやってきた。
「やばい、どうしよ、緊張しかない。ハードル高い。」
緊張から、ボソボソとボヤキが止まらなくなり、歩みはゆっくりとなる。
「も〜!!梨沙が哉太先輩が好きって言ったんだから、しっかりしてよ!!」
え・・いや、好きとは言ってないデスケド・・。
※麻理=早とちり要注意
麻理に強引に腕を引っ張られながら、哉太先輩の教室まで向かった。
「哉太先輩〜!」
麻理が声をかけると、哉太先輩の他に、男子がもう1人やってきた。
「よっ、さっきぶり。」
哉太先輩が、ハイタッチのポーズで私に片手を向ける。
「誘ってもらえて嬉しいです。」
チョンッと軽く当ててタッチするとさっと手を背中に回した。
「何それ、照れ屋ちゃん?」
私のタッチの仕方がおかしかったのか、哉太先輩はまたくしゃっと笑ってみせた。
笑顔が素敵過ぎる・・。
「みんなで食堂行くか。」
もう1人の男子に関しては何の紹介もないまま、哉太先輩が歩き出した。
・・え!?哉太先輩だけじゃないの!?
しかも食堂!?
いつも混んでるし、私食べるペース遅いのに・・絶対何食べても何の味もしないやつ確定・・。