私の願いが叶う恋




「若干今更だけど、みんなを紹介してくわ。」


席に座ると、食べ始める前に哉太先輩がみんなの紹介を始めた。


「こっちは麻理ちゃん。美人だけど結構口が悪い。冗談は通じない。俺と中学が一緒でした。」


あ、なるほど。哉太先輩と麻理の繋がりって同中だったのか。



「ちょっと哉太先輩、後半悪口入ってましたよね?」


麻理がキッと哉太先輩を睨みつける。


「やー、ほら。特徴をわかりやすくと思ってさ。」


哉太先輩の弁解に、麻理は火に油状態。


「まぁまぁ、麻理、美人って言われてたじゃん。それでプラマイゼロだよ!」


ちょっと自分でもフォローになってるか怪しいフォローを入れる。


余裕が無くて頭働いてないみたい・・。




「んで、麻理ちゃんの隣りにいるのが梨沙ちゃん。俺のこと好きなんだって。」



・・え。それ言うの?みんなの前で?


てか違うし(いや言ったけど、麻理が・・)。






もはや唖然としていると、




「哉太、その発言はデリカシー無さ過ぎだから。」



さっき私に食券のことで声を掛けてくれた先輩が、哉太先輩の頭をバシッと軽く叩く。




あ、この人・・常識人だ。




「え?あ〜ごめん。ジョークのつもりだったんだけど。」



ジョーク?
そりゃ告白を全校放送するようなブラックジョークだよ哉太先輩・・。



「え〜っと、今俺を叩いたこいつが、巽(たつみ)。面倒見が良くて、みんなのオカン。」



たつみ先輩って言うんだ・・。



確かに面倒見良さそう。


イケメンの友達ってやっぱりイケメンだな〜。


哉太先輩はチャラい感じだけど、巽先輩は爽やかな感じ。


短めで耳がすっきり見える髪は清潔感が漂う。


長袖のシャツを腕まくりした腕の筋肉も、良い感じ。





でも男子に向かってオカンは・・。



「おい。次またオカンって言ったらもうお前の面倒は一切見ないからな。」


・・哉太先輩、また怒られてる。



「わぁーったよ(適当)。じゃあ最後が俺。みんなが大好きな哉太先輩。イケメンだけど実は隠れオタク。誰にでも優しいけどチャラいのが玉に瑕。」




なんか、本人含めて全員ディスってる感じの紹介の仕方だな・・。



何のオタクなのか地味に気になるし。


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