私の願いが叶う恋



「はぁ〜。」


朝からドッと疲れた・・。


学校に着いて教室のドアまで来ると、自然とため息が漏れた。



どうしても高校は東京に行きたくて、中学時代はガリ勉になって勉強を頑張ってきた。



有名進学校だから両親の許しを得るのも簡単で、自宅から1時間半かけて通っている。



「ちょっと梨沙、朝から大きなため息禁止!!運が逃げるっしょ!」


窓際最後尾の私の特等席に腰掛け、足を組み頬杖をつきながら大きな声で文句を言う女子。




高校で仲良くなった友達、麻理(まり)だ。



「麻理、おはよう。」



化粧映えのする美人で、思ったことは何でも直球で話す麻理が私は大好き。




“私は”。




明るくて友達が多いけど、思ったことを何でも直球で伝えるから、麻理には敵も多い(主に女子)。





「で、麻理は何で朝から私の席を占拠してるのかな?」




私は仕方なく、麻理の前の席に腰掛けた。




「梨沙が同じクラスじゃないから毎日こうやって会いにきてるんじゃん!」



麻理は隣りのクラス。何かと合同授業をすることが多くて仲良くなってから、こうしてよく話しに来てくれる。




「も〜麻理好き〜。」





クラスの友達とも仲良いけど、私達はお互いが1番しっくりくる関係だ。





「やっぱり梨沙といる時が一番落ち着くんだよね。癒される〜。」


麻理は急に立ち上がり、私の目の前に立つとかがんでぎゅっと私を抱きしめた。



「何かあったの?」


麻理が甘えてくる時は、大抵彼氏と何かがあった後。




「・・昨日の夜から彼氏と喧嘩中。」


麻理には中2から付き合ってる彼氏がいる。


今年で3年目だ。


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