私の願いが叶う恋



「え〜、良いと思うけどなぁ年下彼氏。梨沙はしっかり物だから合ってるのに。」



麻理は私に早く彼氏を作ってほしそうだけど、やっぱり私にはハードルが高いと思う。




「じゃあさ、梨沙はどんな人ならドキドキするわけ?」


麻理が前のめりで聞いてくる。



「うーん、そうだなぁ、麻理みたいな男子?明るくて気が合うし、友達多くて楽しいし。」


冗談混じりに深く考えず答えると、



「・・私みたいなオトコ・・?」



麻理が真顔でフリーズしている。



「ちょ、麻理、どうしたの。」


麻理の腕を両手で握り、フリーズしている体を前後に揺らす。




「今のは冗談だから!!あ、あの人とかタイプだな!あのすっごいイケメンの・・哉太(かなた)先輩!」



麻理はド直球女子だから、あまり冗談は通じないんだった・・。




「えぇ?梨沙も哉太先輩のファン?初耳。まぁ確かにイケメンだし優しいけど、彼氏としてはどうかな〜?モテるし。」



麻理は握っていたスマホを開き、友達一覧の中から哉太先輩を見つけて指を止める。



「哉太先輩のLINE、梨沙に教えようか?教えてもいいか先輩に聞いたら絶対OKって言うよ。来るもの拒まず去るもの追わずだから。」



麻理が淡々とスマホを操作して何か送ろうとしている。



私はとっさに麻理の手を掴んだ。



「待った!ありがとう、でもそれはいいや。」



そんなことをしても、たくさんいる取り巻きの1人ってだけで何の意味もない気がした。






< 5 / 21 >

この作品をシェア

pagetop