私の願いが叶う恋
「え〜、良いと思うけどなぁ年下彼氏。梨沙はしっかり物だから合ってるのに。」
麻理は私に早く彼氏を作ってほしそうだけど、やっぱり私にはハードルが高いと思う。
「じゃあさ、梨沙はどんな人ならドキドキするわけ?」
麻理が前のめりで聞いてくる。
「うーん、そうだなぁ、麻理みたいな男子?明るくて気が合うし、友達多くて楽しいし。」
冗談混じりに深く考えず答えると、
「・・私みたいなオトコ・・?」
麻理が真顔でフリーズしている。
「ちょ、麻理、どうしたの。」
麻理の腕を両手で握り、フリーズしている体を前後に揺らす。
「今のは冗談だから!!あ、あの人とかタイプだな!あのすっごいイケメンの・・哉太(かなた)先輩!」
麻理はド直球女子だから、あまり冗談は通じないんだった・・。
「えぇ?梨沙も哉太先輩のファン?初耳。まぁ確かにイケメンだし優しいけど、彼氏としてはどうかな〜?モテるし。」
麻理は握っていたスマホを開き、友達一覧の中から哉太先輩を見つけて指を止める。
「哉太先輩のLINE、梨沙に教えようか?教えてもいいか先輩に聞いたら絶対OKって言うよ。来るもの拒まず去るもの追わずだから。」
麻理が淡々とスマホを操作して何か送ろうとしている。
私はとっさに麻理の手を掴んだ。
「待った!ありがとう、でもそれはいいや。」
そんなことをしても、たくさんいる取り巻きの1人ってだけで何の意味もない気がした。