イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。


いいのかなって思っちゃう。

もらってばかりじゃ悪いし、わたしを喜ばせようとしてくれるところはうれしいし。

だけど本当は、ただ一緒にいてくれるだけでいいの。



「一緒に帰って、たまにショッピングしたりご飯食べに行ったりで十分すぎるくらい幸せなの」

「じゃあ、それ言えば?」

「言っていい?」

「いいに決まってるじゃん。だって彼氏でしょ」



ふっと笑った理沙ちゃんにハッとして大きく頷いた。


「うん!」


彼氏……ってまだ慣れないけど、先輩はわたしの彼氏なんだ。

本当にかっこよくて素敵すぎる先輩だから、わたしも先輩の隣に見合う人になりたい。



「……伊月先輩、そろそろ限界かもね」

「へ?」

「ううん。また惚気聞かせてね」

「惚気!?惚気てた!?」

「すごく」



わぁ、恥ずかしいな。

そんなつもりなく話してたけど、こういうのを惚気って言うんだ。


< 132 / 285 >

この作品をシェア

pagetop