イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。
申し訳ない気持ちになりながらも、要くんを見て笑顔になれる。
翔ちゃんと一緒に学校へ行かない代わりに、要くんとこうして途中で合流して一緒に学校へ行くようになった。
こういうのは仕方ないことだってわかってるんだけどね……。
「なに考えてんの?」
「……え?」
「難しい顔してる」
「あ、っと……なんでもないですよ。暑さからかボーっとしてただけです。すでに夏休み気分かもですね」
要くんに言うわけにはいかない。
さすがにそういうところはわかってるもん。
彼氏にほかの男子のことを話すのはよくないって。
でも本当は、こうして悩んでる時点でよくないのかもしれない……。
モヤモヤはいつのまにか募っていて、どうにもできないのが悔しい。
「話して」
「え?」
「おれが嫌がるような内容ってこと?だとしても、優乃がひとりで悩んでなにもしないほうが嫌だ」
「要く……」