イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。



翔ちゃんは要くんを睨むように見ている。

いつも翔ちゃんは要くんの前で怖い顔する……。



「翔ちゃん、お願いだから話を聞いて……」


この機会を逃したらきっともう話せなくなる。

いま、話さないと。


翔ちゃんとこのままなんて嫌なんだよ……。



「……わかった」


やっとわたしを見てくれた翔ちゃんは泣きそうな表情で頷いた。

その顔を見てわたしも我慢してたものがあふれそうになる。


それを堪えて、ひと気のない中庭に移動した。


要くんはわたしの背中をぽんと優しく前へ押してくれた。



「ここで待ってるからがんばれ」



耳元で囁かれすぐに振り返れば、優しい表情で笑っている。


不安なわたしに勇気を与えてくれる要くんの優しさに胸がぎゅっとなった。

下唇を噛んで頷いてから、翔ちゃんとベンチに腰掛ける。



「あの、翔ちゃん」

「…………」

「単刀直入に言うね。わたしに彼氏ができたから避けるの?」


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