イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。
前はこんな感じのタイプとよく遊んでいた。
でも、いまのおれはこの女に対して少しも感情が出ない。
遊んでやってもいいか、と前なら思ってたかもしれねぇけど、いまはすげぇ不快だ。
「無理。離れろ。脂肪押し付けんな」
「はぁ!?最低!調子のんな」
怒った女はおれから離れて歩いて行ったけど、まだギャンギャン聞こえる。
一緒に来てたやつに文句言ってるのかもな。
どうでもいいけど。
それより、早く優乃を見たい。
待ってるときって長く感じる。
待つことは嫌いだけど、優乃ならいくらでも待てる。
というか優乃の場合はおれが待ちたい。
おれがそんなことを思う人は優乃だけだ。
「か、要くん……」
後ろから声が聞こえてすぐに振り返る。
そこには、おれが背にしてる柱から顔だけ覗かせる優乃。
いつも下ろしている髪はポニーテールにしている。
かわいすぎだろ……。
初めて見たポニーテールに目を奪われる。