イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。
「でも、優乃しか知らない要さんのほうが多いと思うわ。社交界の要さんはそこにいる方はみんな知っているけど、恋人の要さんは優乃しか知らない」
「それでも、うらやましいなって思います」
「じゃあ来たらいいんじゃない?」
「ほぇ?」
「再来月、要さんの誕生パーティーあるわよ。誕生日にかこつけた各業界との顔合わせだから、要さんの凛としたオンの姿が見れるわ」
再来月、要くんの誕生日は10月22日。
付き合う前にお互いの話をしたときに聞いていた。
わたしもなにかできたらな、と思っていたけど誕生パーティーなんてあるんだ。
やっぱり一般人とは違う……。
「でも、わたしでは行けないんじゃ……」
「私の同伴者として来たらいいわよ。一緒に行きましょ。ドレスもメイクもヘアセットもぜんぶプロデュースさせて」
「えっと……」
いいのかな。
わたしはなんの取り柄もない一般人だし、悲しいけどぜったい場違いだよ。