イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。


要くんに見合う彼女になりたいけど……。


要くんのご両親に認められてる萌ちゃんが正直すごくうらやましいし。


わたしはぜんぶ、要くんの特別がいいんだ。

最近、本当に欲張りになっている。


だけど、わたしにはなにもない……。




「せっかくですが、やめときま……」

「電話鳴ってない?」

「あ、ほんとですね。すみません、出ますね」



わたしの断りの言葉と重なった着信音。

萌ちゃんに声をかけてからスマホを出すと、要くんからだった。


いきなりの電話に驚きながらも画面をスライドして、スマホを耳に当てる。



「はい、優乃です。どうかされましたか?」

『いま優乃のマンションの前にいるんだけど、少し会えない?』

「わかりました。いますぐ行きますね」



それだけ伝えて通話を切る。

萌ちゃんを見るとニコニコと笑っていた。



< 234 / 285 >

この作品をシェア

pagetop