イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。
「要さん?」
「はい。いまマンション前にいるみたいなので……」
「わかった。私ももう帰るわ。とりあえず連絡先だけ交換しましょ」
「はい!」
返事をしてから萌ちゃんと連絡先を交換する。
そのあと一緒に部屋を出て、1階に下りた。
いつもの場所に車は停まっていて、要くんはエントランスの前にいた。
「優乃、急にごめん」
「いえ、大丈夫です。なんかすごく久しぶりな感じがしますね」
2週間くらい。
だけど、すごく長い時間な気がする。
いや、ほぼ毎日会っていたから2週間って長いよね。
「そうだな。だから抱きしめさせて」
「それは、えっと……」
曖昧に答えて視線をわたしの後ろにいる萌ちゃんに向ける。
萌ちゃんは楽しそうにわたしたちを見ていた。
「要さん、こんにちは。まったく私のことが見えてないわね」
「あ?いつからいた?というか、なんでここにいんだよ」