イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。
ちょっと怖いけど、でもわたしもちゃんと要くんのお父さんにご挨拶したい。
認めてもらいたい……!
いまのわたしじゃだめって言われるかもしれないけど、この気持ちは本物だもん。
「……行きます。行かせてください!」
「ほんとに?わかった」
「じゃあ、私が優乃を全身プロデュースするわね。さっきもその話してたの」
「は?ドレスはぜったいにおれが選ぶ。優乃に似合うのはおれがいちばんわかってる」
「嫌よ。そこは西園寺の名にかけて私がさせてもらう。あと1か月以上あるし、立ち居振る舞いも教えるわ」
「いいって。おれがする。いきなり出てきたお前が優乃とおれの邪魔すんな」
ふたりが揉めているようだけど、わたしは心臓がバクバクとしている。
行くって返事しちゃった。
大丈夫かな。
要くんのお父さんに認めてもらえるかな。
その前にどうして招待しようと思ったんだろう。
会いたいって、いつわたしの存在を知ったのかな。