イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。
こだわってオーダーメイドしたデスクに肘をついて、意味深に微笑んでいる。
「要の態度が変わったからね。別荘を貸してほしいと頼まれたときは驚いたよ」
「言わねぇと貸してくんねぇだろ」
「違うよ。要が私に頼むことが、だ」
場所的にあそこがいちばんよかったんだよ。
花火大会も海も近いところ。
ホテルだとほかの客もいるから嫌だし。
優乃と初めての泊まりはだれにも邪魔されたくねぇから。
「私が決めた婚約者もいるのにフラフラ遊んでると思えば、今度は本気の子ができたのか」
「婚約者は親父と西園寺の親が酔った勢いのノリで決めただけだろ。あと今度はとか、言い方やめろよ。次回はねぇし」
「へぇ、要がそこまで惚れ込んだ女の子はぜひ会ってみたいな」
「どうせもう調べていろいろ知ってんだろ」
監視されていることは知っている。
けど、やることはちゃんとやってるから、なにも言われないことも。