イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。
親父がポケットからカードキーを出す。
それを素直に受け取った。
「ありがとう」
「素直にお礼言えるようになるなんて、優乃ちゃん様様だな」
「え?」
「まじで感謝する」
「うれしそうにしちゃって、かなちゃんかわいい。そんなに早く優乃ちゃんとふたりきりになりたかったのね」
両親にバレバレなのはこの際どうでもいい。
これで優乃とふたりきりになれる。
「将来が楽しみね」
「要、優乃ちゃんを大切にするんだぞ」
「一生大切にする。いま誓ってもいい。気持ちは変わんねぇからな」
優乃の手を引いて歩きだす。
焦った優乃は顔だけ両親に振り返った。
「あの、ありがとうございましたっ!わたしもいま誓っていいです。要くんを大切にしますので……か、要くん速いっ……」
「ごめん、もう我慢できない」
優乃が両親に気持ちを伝えてるけど、おれはそれどころじゃない。