イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。


本当に要くんはなんでもできる。

完璧な彼氏だ。


わたしにはもったいないくらい、素敵な彼氏。




「ね、食べさせて」

「えっ?」

「ほら」


要くんが甘えている。

かわいいな。

うれしいな。


いきなりでびっくりしたけど、ケーキを一口サイズに切ってフォークに乗せる。

ドキドキしすぎて手が震えそうになりながら要くんの口へ運ぶ。



「んまっ」

「ほんとですか?やった」

「じゃあ、今度はおれが」


そう言って要くんがケーキが乗ったフォークをわたしに向ける。

ちょっと照れちゃうけど、口を開けて食べた。


そのとき要くんと目が合って、またドキドキが加速する。


そしてどちらからともなく、同じタイミングでキスをした。

重なる唇から要くんへの優しさと愛しさが伝わる。


絡められる温もりはわたしを溺れさせ、いつでも夢中にさせる。



「あ、甘い……ですね、」

「うん、甘いね。ありがとう、優乃」



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