イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。
わたしがジュースをかけてしまったショックでおかしくなっちゃったのかな?!
それは大変だ……!
「ブレザー、洗いますのでよければ貸してください。預けるのが不安でしたら、わたしのブレザーと連絡先も渡すので……」
近場のテーブルに置いてあった紙ナプキンに名前と連絡先、クラスを素早く書く。
そしてブレザーを脱いで差し出した。
「怪しい者ではないので……あ、そう言ったら逆に怪しく感じますかね…?」
「…………」
「あ、わたしのブレザー渡されても邪魔ですよね…」
「……これだけもらう」
そう言った彼は紙ナプキンだけを手に取る。
「あ、はい。怪しい者ではないので」
やっと反応を示してくれて思わず笑顔になる。
にこっと微笑むと、彼は顔を逸らした。
そしてブレザーを脱ぐと後ろを確認する。
「いいよ。こんくらい大丈夫だから、そんな泣きそうな顔しないで」
「すみません……」
「きみが、洗ってくれるんでしょ?」
「はい!」