イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。
優しい方だ……。
申し訳ないことをしたけど、優しい方でよかった。
「えっと、やっぱりクリーニングが確実なのでお時間いただきますが……」
「きみが洗うんでしょ?」
「え?」
「時間かかってもいいからさ」
「は、はい……」
クリーニングのほうがぜったいきれいなのに。
手洗いのほうがいいってこと?
こだわりでもあるのかな?
そう言うならがんばって洗うけど。
「優乃、なにしてんの?そろそろ出る時間だぞ」
「あ、翔ちゃん。ちょっと待ってね」
遅いわたしを呼びに来てくれた翔ちゃん。
不思議そうに眉を寄せている。
「では、ブレザー洗って返しますね。本当にすみませんでした」
頭を深く下げてから、翔ちゃんの元へ移動した。
「なにしてたんだよ」
「ちょっとドジしちゃったの。でも優しい方でよかった」
「ふーん」
「もう出る時間なんだよね?行こっか」
「あぁ」