イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。


テーブルに戻り荷物をまとめる。

そして翔ちゃんと一緒にファミレスを出た。



「そのブレザーは?」

「さっきぶつかってジュースをかけちゃった人の。洗って返すために借りたんだ」

「だから遅かったのか」

「うん。コーラごめんね。近くの自販機で奢るよ」

「コーラくらいどうでもいいから」



翔ちゃんも優しいなぁ。

同じマンションに住んでいて、小さいころから一緒にいた翔ちゃんは本当にいい人。


翔ちゃんがしっかりしてるから、わたしもここまで生きてこれたと思う。

大袈裟じゃなくて本当に。



ブレザーを持ったまま、約束していたように翔ちゃんの双子の妹を保育園に迎えに行く。

そしてみんなでマンションに帰った。



「じゃあな。課題しろよ」

「うん。やってみる」

「ゆのちゃん、またね」

「またお家遊びに来てね」

「うん。また行くね」



エレベーターで翔ちゃんと双子に手を振って別れる。

ドアが閉まるまで手を振り続けた。


< 8 / 285 >

この作品をシェア

pagetop