イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。
テーブルに戻り荷物をまとめる。
そして翔ちゃんと一緒にファミレスを出た。
「そのブレザーは?」
「さっきぶつかってジュースをかけちゃった人の。洗って返すために借りたんだ」
「だから遅かったのか」
「うん。コーラごめんね。近くの自販機で奢るよ」
「コーラくらいどうでもいいから」
翔ちゃんも優しいなぁ。
同じマンションに住んでいて、小さいころから一緒にいた翔ちゃんは本当にいい人。
翔ちゃんがしっかりしてるから、わたしもここまで生きてこれたと思う。
大袈裟じゃなくて本当に。
ブレザーを持ったまま、約束していたように翔ちゃんの双子の妹を保育園に迎えに行く。
そしてみんなでマンションに帰った。
「じゃあな。課題しろよ」
「うん。やってみる」
「ゆのちゃん、またね」
「またお家遊びに来てね」
「うん。また行くね」
エレベーターで翔ちゃんと双子に手を振って別れる。
ドアが閉まるまで手を振り続けた。