俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
冬美はスマホで調べ始めた。

「副社長の東條健しか、メディアに出てこないわね」

「兄弟?」

「違う、偶々同じ苗字みたいよ」

「そうなんだ」

次の瞬間、冬美の表情が強張った。

「冬美、どうしたの?」

「亜紀、東條理樹のことは諦めなさい」

「どうして?」

その時冬美の言葉に私は愕然とした。

「東條理樹には婚約者がいるよ」

「婚約者?そんな」

やっぱり遊ばれたんだ。

私はその場にへたり込んだ。

「亜紀、大丈夫?」

「大丈夫」

冬美にはそう言ったものの、全然大丈夫じゃなかった。

私は一人でアパートに帰った。

部屋で一人大声で泣いた。

その頃俺は途方にくれていた。

あれから二ヶ月も経ってしまった。

亜紀、待っててくれているだろうか。

俺はスマホを壊してしまい、データーをバックアップしておかなかった為、亜紀の連絡先がわからなくなったのだ。

「理樹、だから言っただろう、あれほどバックアップしておけと」

< 10 / 133 >

この作品をシェア

pagetop