俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
食卓を囲みたわいもないおしゃべりの中で、明るい色が好きって言ってしまったのである。
「ベージュとかオフホワイトが好きです」
「そうか、じゃ、その色のカーテンを買いに行こう」
「でも、健さんは落ち着いた色が好みなんですよね」
「大丈夫、何色でも平気だよ」
健さんの心遣いに感謝して、お言葉に甘えることにした。
次の日、健さんと買い物に出掛けた。
店員さんに「新婚さんですか」と声をかけられて、私は否定しようとしたら、健さんはニッコリ頷いていた。
「健さん、店員さん、誤解しましたよ」
「それなら、誤解じゃないようにすればいいさ、亜紀、結婚しよう」
「駄目です、私は……」
「な、亜紀、東條ホールディングスは東條財閥とは何も関係ない、ましてや僕は理樹の父親とは面識ないし、何の関係もないよ」
亜紀は不思議そうな顔をしていた。
それはそうだろう、何でこんな話をするんだろうと考えたに違いない。
「亜紀、僕のプロポーズの返事を真面目に考えて欲しい」