俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

食卓を囲みたわいもないおしゃべりの中で、明るい色が好きって言ってしまったのである。

「ベージュとかオフホワイトが好きです」

「そうか、じゃ、その色のカーテンを買いに行こう」

「でも、健さんは落ち着いた色が好みなんですよね」

「大丈夫、何色でも平気だよ」

健さんの心遣いに感謝して、お言葉に甘えることにした。

次の日、健さんと買い物に出掛けた。

店員さんに「新婚さんですか」と声をかけられて、私は否定しようとしたら、健さんはニッコリ頷いていた。

「健さん、店員さん、誤解しましたよ」

「それなら、誤解じゃないようにすればいいさ、亜紀、結婚しよう」

「駄目です、私は……」

「な、亜紀、東條ホールディングスは東條財閥とは何も関係ない、ましてや僕は理樹の父親とは面識ないし、何の関係もないよ」

亜紀は不思議そうな顔をしていた。

それはそうだろう、何でこんな話をするんだろうと考えたに違いない。

「亜紀、僕のプロポーズの返事を真面目に考えて欲しい」
< 46 / 133 >

この作品をシェア

pagetop