俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
第七章 残酷なプロポーズ
「亜紀、ありがとう、亜紀にも聞いて欲しいから座って」

亜紀は俺の言葉に不思議そうな表情を見せた。

「俺は婚約を破棄した」

「お前、正気か」

健は俺に食ってかかった。

「俺は正気だ」

健の顔色が変わった。

「これからどうするんだ」

「どうもしない、取引はこのまま続けてくれると約束してくれた」

「本当か」

俺は亜紀の方へ視線を移し、言葉を続けた。

「亜紀、俺と結婚してくれ」

婚約者の問題が片付いたから、亜紀は喜んでくれると鷹を括っていた。

しかし、亜紀の口から出てきたのは信じられない言葉だった。

「理樹さんとは結婚出来ません」

「どうしてだ、婚約者の件は問題ない、会社も倒産することはないんだ」

「ごめんなさい」

亜紀はそう言って奥の部屋に入ってしまった。

何故だ、何が原因なんだ。

俺は亜紀の部屋の前に行き、声をかけた。

「亜紀、俺は諦めないから、また会いに来る」

そう言って健のマンションを後にした。

私は涙が溢れて止まらなかった。
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