俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ニューヨークに旅立つ前に私を振った元彼だ。

「亜紀?亜紀だよな」

「秀」

「元気だったか」

私は項垂れて首を横に振った。

「どうしたんだよ」

「秀」

気が緩んだのか涙が溢れて止まらなかった。

「亜紀」

秀は私の手を引き寄せ抱きしめた。

二年間付き合っていたが、秀の前で取り乱したことはなかった。

もちろん、涙も見せた事がない。

秀の急な振る舞いに戸惑いを隠せなかった。

「何があったんだ、亜紀の涙をはじめて見たよ」

「ごめんなさい、何でもないの」

秀はよりギュッと私を抱きしめた。

「秀?私は大丈夫だから離して、痛いよ」

「あっごめん」

しばらく沈黙の後、秀は口を開いた。

「一緒に食事でもしないか」

「でも、彼女と一緒でしょ?」

「別れたんだ」

その言葉を聞いた時、こんなに短期間の人と付き合う為に、私があんなに嫌な思いをしたなんて、納得がいかなかった。

でも秀は私には既に魅力を感じなくなったから別れを選んだんだ。

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