俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
愛理お嬢さんは絶対に俺を手に入れて見せると敵意を剥き出しにした。

次の朝、俺は仕事の為、朝早くマンションを出た。

部屋のドアの外から愛理お嬢さんに声をかけた。

「今日中に出て行ってくれ、頼む」

返事はなかった。

私は上部愛理、お父様は上部コーポレーション社長である。

三年前、東條ホールディングスとお父様の会社、上部コーポレーションが取引の契約をした。
その後の取引先主催のパーティーで理樹さんとはじめて出会った。

なんて素敵なの、イケメンで、優しくて、透き通る瞳の奥には私を幸せにしてくれる未来が見えたように思えた。

私はすぐにお父様におねだりをした。

「お父様、お父様、わたくし、東條ホールディングス社長、東條理樹さんと結婚したいんです、ですからすぐに婚約をお願いしたいの」

「なんだ、藪から棒に、落ち着きなさい」

「これが落ち着いていられますか、わたくし理樹さんと結婚します」

これが理樹さんとの出会いだった。

それから三年間わたくしは理樹さんと結婚すると思って生きてきたのであった。

なのに、一夜のアバンチュールで、わたくしの宝物を奪っていった女を許すことが出来なかった。

絶対にどんな手を使っても理樹さんの側から離れて貰いますと心に誓った。

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