俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
「理樹さん」

「東條くん、ここはラブホじゃないんだからね、それに水本さんは病人だかね」

「そ、そんな事わかってる」

亜紀はふふっと笑って笑顔を見せてくれた。

でも、亜紀の心は凍りついて溶かしていくのに時間がかかるなど、この時は思いもよらなかった。

亜紀の病室を後にして、三船に礼をした。

「三船、サンキューな、亜紀の笑顔を見ることが出来て良かった」

「ねえ、東條くんの片想いじゃないよね、愛理お嬢さんって誰?」

俺は仕方なく、三船に全てを打ち明けた。

「凄い女に好かれちゃったわね」

「俺も悪かったんだ、一回だけ思う存分楽しめば、諦めてくれると鷹を括っていたからな」

「それはダメよ、楽しかったらその気持ちをまた味わいたい、出来ればずっと味わえればと、女は欲が出てくるのよ」

「全くその通りだったよ」

「ねえ、水本さんはちょっとその辺の女と違うわね」

「そうだな」

「じゃあ、また連絡するわね」

「なあ、三船、亜紀は刈谷をどう思っているのかな」

「そうね、刈谷さんの水本さんに対する愛情は相当ね、水本さんの気持ちはわからないな」

「そうか」

「自信ないの?」

「そんな事ないよ、でも、選ぶのは亜紀だからな」

俺はその場を後にした。
< 99 / 133 >

この作品をシェア

pagetop